「軸索終末と終末シュワン細胞はいかに皮膚感覚受容器を構築しているか」 
榎原 智美  (明治国際医療大学・医学教育研究センター・解剖学ユニット) 


 皮膚感覚を末梢端で担う感覚受容器の形態的最小単位は、自由神経終末の一部を除き、有髄線維が末端でミエリンを失う地点(terminal pointTP))より先で、軸索終末(axon terminalAT))と終末シュワン細胞(terminal Schwann cellTSC))により構成される。ATは多様に分岐し、肥厚することが多い。TSCsは、ATsから少し離れた細胞体から複数の突起を伸ばし、個々のATに、ミエリンのないシュワン鞘を与える。この最小単位の形態的特徴により、受容器は分類される。近接する複数の最小単位が集積したものが、しばしば、ひとつの受容器とみなされる。

(参照:http://pns.ucsd.edu/Winkelmann.images/index.html) 

ネコの指先皮膚ヒダで、1本の剛毛を取り囲む約130個のメルケル細胞を包括する毛盤の、TP15を数えた。ATsは、TPの末梢側で、それぞれさらに網状に分岐し、複数のメルケル細胞に小盤を付着させてメルケル終末を形成し、求心側では、唯1本の基幹有髄線維に収束した。顔面ヒゲ洞毛には、1TPの先で分岐しない短い棍棒状の終末もあり、毛包の特殊な位置に、毛軸と平行に整然と配列する。なお、複数のTPsを連携するTSCsもある。

神経終末の特徴的な形態と、基幹線維に至るまでに経由するRanvierの絞輪のtopology が、その受容器の反応特性を示唆している。