「大脳皮質ダブルブーケ細胞の形態的解析」

窪田芳之

岡崎国立共同研究機構・生理学研究所・大脳神経回路論研究部門

 

 大脳新皮質の神経回路がどのような配線で構成されているの詳細は不明である。本研究では、非錐体細胞の一つであるダブルブーケ(DB)細胞のシナプス結合について私のこれまでの解析結果を報告する。ラットの前頭皮質のスライスを作成し、ホールセル電極でバイオサイチンを注入した。固定後、ABC液で反応しDAB染色後エポンに包埋した。その後、軸索部分を電子顕微鏡で観察し、3次元再構築画像解析ソフトで前後シナプス要素の3次元像を再構築し、その構造を形態的に解析した。これまでにカルレチニンもしくはCRFを含有する4個の細胞を解析した。その結果、DB細胞のターゲットは、約1/3が興奮性終末が多く入力する非錐体細胞の樹状突起の幹であった。また、約1/3は棘突起が多く存在する錐体細胞と思われる樹状突起の幹であった。残りは、棘突起の頭部や柄部に入力していた。その棘突起には興奮性入力を認めたので、特定の入力信号を抑制することが示唆された。細胞体に対する入力は少数存在した。