「聴覚皮質のミクロおよびマクロネットワーク」

 

  小島久幸 先生  理化学研究所・脳科学総合研究センター・脳皮質機能構造チーム。

 

 聴覚皮質でspectrotemporal な活性パターンを推定するには、単一細胞およびその 集団の結合またそれらの関連をみいだすことが重要と思われる。今回単一細胞また細 胞集団レヴルでこれらのことを調べてきたので報告する。

(1) ネコにおいて単一錐体細胞は水平軸索から数百μ m 置きに脳表に向かう終末側 枝を形成した(平均2.6 /細胞)。また小細胞集団の投射をtracer によって標識する と等周波数帯にそって数ヶのpatchが認められた(平均4.6/injection)。平均値の比 較から単一細胞はpatchの全てではなく、一部にのみ投射していると推測。

(2) 周波数軸に沿い隣接する一次聴覚野(AI)ドメインに異なるトレーサーを注入し て、領域内、外への重複(収斂)投射を調べたところ、注入部位の分離距離特異的な 重複パターンが認められた。

(3) 音強度検出に関与すると考えられる発火パターンを一部の細胞は示す。音強度 があがるにつれ始めは発火が増加し、その後減少するnonmonotonicな細胞が知られて いる。この発火パターンの形成機構についてin vivo細胞内記録法で調べた結果、2 層と3層で違いがあることが判明。

(4) 最近サルでwhat and where pathwayが聴覚系にも見い出され、2次領域である belt野が分岐点と考えられている。両経路の相互関連を3次領域であるparabelt野へ の投射から検討し、重複投射があることから2経路が関連することが判明。


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