解剖学会要旨

 

in situ hybridization法による大脳皮質ニューロンの分類とその種間、領野間比較

 

渡我部 昭哉、一戸 紀孝、小松 勇介、端川 勉、Kathleen S. Rockland, 山森 哲雄

 

In situ hybridization (ISH)法は、mRNA発現を細胞レベルで調べるための強力なツールである。我々はチラミドシグナル増幅法(TSA)を応用して、蛍光2ISH法を高感度で行うプロトコルを確立した。また単純な2重染色に加えて、蛍光トレーサーとISHの2重染色、抗体とISHの2重染色や、3重ISHなどの応用も行っている。以上のアプリケーションにより、ISH法の応用範囲は大きく広がった。多様な性質を持つニューロンが混在する神経系の解析において、ISH法は特に威力を発揮する。最近、大脳皮質において非常に高い層特異性を示す遺伝子がいくつか同定されてきた。我々はこれらの遺伝子をマーカーとして、皮質興奮性ニューロンの分類を試みた。この研究の過程から、今までは見えなかった新皮質層構造の種間、領野間の共通性と相違点が浮かび上がってきた。このシンポジウムでは、大脳皮質ニューロンに関する我々の研究を軸に、ISH法を使えばどんなことが解析できるのか、その可能性について論じたい。